[ 4444 HIT MEMORIAL ]
◎yuki様に捧げるメロ。
◎とにかく2人がメインなら何でもいいので、「珱さんを幸せにしてあげて下さい!」







 夜中にふと目が覚めたら、ベッドの隣が空だった。毛布を捲り上げて中を覗くと、しわくちゃになったシーツはまだほんの僅かな温もりと斎の形を残してる。ということは、起き出したのはそんなに前ではないんだろう。
 少し熱があるのか、身体が火照って、怠い。原因は自分でもよくよく分かってるけど。
 最近、挿入で斎の助けなしでイケるようになって、それ以来俺が照れ隠しで言ってたいろんなコトをぱったり言わなくなったからだ。
「したい」ってコトを俺が隠さなくなったら、斎のリミッターもちょっと飛び気味。

 昨夜も斎と抱き合った。ここのところ毎日。ちょっと普通じゃないな、とさすがに思う。
 なんだか心なしか、やばい感じではある。

 目を瞑って息を詰めて、自分の体を点検する。
 触れなくても分かる。ついさっきまで直接斎を感じていた場所はまだ軽い疼きを残していて、……たぶん見られたものじゃないことになってるだろう。
 そんなことが一瞬でも頭に浮かんだが最後、今さら何を言ってるんだか、我ながら呆れてしまうような下らないことが気になってしまう。
 本当に今さらだ。こんなトコ、もう数え切れないくらい見られてるってのに。
「変なヤツ。なにひとりで笑ってんの?」
 寝室のドアから顔だけ覗かせながら、斎が突然声を掛けた。ほんの少しだけ笑ってしまったところをしっかり見られたらしい。いつからそうして眺めてたんだか、分かったもんじゃねぇな。
「何してた?」
「喉が渇いたから水飲んで、…一服」
 言いながら、大きな体をゴソゴソ隣に滑り込ませてくる。空気の動きに紛れて微かに煙の匂いがした。
「しゃあない奴やな、この不良」
 斎の方に体を向き合わせて指で唇をなぞる。こうして目を合わせているだけで気分が体に引きずられていく。……抱き締めて欲しくなる。


 もうすぐ中間試験が始まって、コンナコトしてる時間が無くなるから?
 …そうじゃない。
 初めて抱き合った頃みたいに、触れていないと不安になるから?
 …そういうことでもない。
 俺の考えてることが分かったのか、斎は大げさに顔を顰めると俺の手を掴んで毛布の中へ押し戻した。
「もうダメ。お前壊れる」
 珍しく斎の方が正気だ。
「アホ言うな。そんなヤワやないの、知ってるやろ」
「ダーメだっつうの。俺だって限界、もう勃たねぇよ」
「そうか?」
 膝を強引に足のあいだに割り入れて、太腿をぴったり合わせたまま体を揺らしてやると、トランクスの生地越しに斎自身が僅かに形を変えるのが分かった。手を伸ばして直接触れるとソレはあっという間に力を取り戻してくる。ほら見ろ、ウソばっか。
 斎がいっそう怖い顔になった。
「クソっ、性格悪ぃ……」
 それでもぼやく口調はどこまでも優しい。


 少し時間が空いたからか斎はいつもよりずっと穏やかで、俺はそれが少し焦れったくて、腕も足も目一杯伸ばして全身で斎の体にしがみつく。
「ぃ…つき……っ、もっと」
 自分の内側を満たしてくれる存在をもっと感じたくて、斎の腰に足を絡ませて腰を浮かせた。
 強くしていいのに。少しくらい痛くされたって構わない。
「もっ…と強く、してっ……」
 切れ切れに漏れる声はもうとっくに泣き声になってる。全部見ていて欲しいと思う気持ちは最初から変わらないから、格好悪くても隠さない。
「そんなに早くイって欲しいの?」
 からかうような口振り。分かってるくせにそんなふうにわざと聞いてくる。ちょっぴり意地悪されてると思いながらも、俺は素直に首を横に振る。
「や、……ずっとおって、欲しい、このまんま……」
 いつもなら絶対口にしない言葉を選んで言う。そうしないと伝わらない気がした。
「抱いてて……。朝までずっと、離さんと、っ…………」
「オッケ、……んじゃ、もっと大事に大事に、な」
 でないと壊れちゃうだろ? そう言って斎は、突き上げる動きをいっそう緩やかなものに変える。……途端に我慢していた涙が溢れそうになった。
 
 子供みたいなわがままを言って何度も何度も目の前にある腕を求めるのは、こんな小さなことがウレシイから。
 触れてくるだけの唇とか、頬を何度もさする掌とか、腰をしっかり抱え上げてくれる腕とか、いろんなところから斎の気持ちが流れ込んでくるのが分かるから。
 だから抱かれたいって思う。こんなふうに恥ずかしげもなく自分から誘ったりするほど。
 思い切り抱き合って声が嗄れるくらい叫んで、一緒にイキたい。
 そしてそれはきっと俺だけの、一方的なものじゃなくて……

「なんか俺、まだイケそうな気ィする……」
「それって」
 掠れた声で囁きながら、斎が腕を回して腰を抱え直した。俺も自分のイイところを探して体を動かす。と、同時にガツンと突かれて、視界が歪むほどの快感が来た。
「あっ、あ!」
 仰け反った拍子に内側で擦れ合う斎の熱を強く感じる。斎がウッと息を詰める気配がする。一瞬固まったあとゆっくり息を吐き出して、
「もっとイクまでやめんなってコト……?」
「ちゃう、やろ……っ」
 俺もクラクラしながらなんとかまともな言葉を絞り出す。
「…お前がっ、イカせてくれ……るん、やろっ………?」
「お前ってさ、ほんっと途方もなくワガママ………」
 そう言って強く抱き締めてくる腕は、気を失いそうなほど暖かかった。



end


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